宮崎ロッド・Prime Time

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"Prime Time Rod"選択のヒントを以下にあげてみました。先ずは留意事項をご覧くださいますよう、お願いいたします。

以下の内容はベテランの方や、すでにバンブーロッドを所有している方には不要かと思いますが宮崎ロッドなりに説明を試みております。個人的な見解があろうかと思いますが"Prime Time Rod"でフライフィッシングをより楽しむためのご参考になれば幸いです。

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アクション

アクションと一口に言って何を伝えることが出来るのか考え込んでしまいます。宮崎ロッドでは、ロッドの曲がり具合をアクション(Fファースト、Mミディアム、Sスロー,Xさらに)、ロッドの固さを(スティフ、mモデラート、フレキシブル、xさらに)としています。

各モデルのアクション表記は、F-mM−sのようになります。ロッドのアクションは、ライン、長さ、継数によってバリエーションがさらに豊になります。初めてバンブーロッドを手にされる方はM-mS-mのようなモデルであれば、扱い辛さは少ないと思います。

目的を絞ってデザインしたロッドはちょっと手こずるものがあるかも知れません。例えば8フィートの2/3番ラインの"Twiggy"は、XS−xfです。このロッドは桂川の忍野地区で24〜26番のフックに10Xのティペットで小物を釣るためのプロトタイプを元にデザインしました。エゴや水草に逃げ込もうとする魚とのやり取りや「寄せ」にちょっとコツ(ラインの出が良く、ドラッグの調整幅が広いリールが大いに助けになります)がいります、といった具合です。

下の写真は、#4番ライン用ロッドのスウェル(a)とストレート(b)のバットです。 (a)のブランクは、グリップ部がかなり太くなっているために、その直前が急なテーパーを作っています。これは「グリップの中」のブランク径を変えることによって目的のアクションを与えるものです。例えば、よく曲がる細身のロッドでグリップやキャスティング感覚が「柔らかい、弱々しい」と感じられる場合、スウェルバット仕様にすると改善される場合があります。また、「グリップ内がよく曲がる」ロッドを好まれない方におすすめすることができます。

アクション/1

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ライン

3番や4番のライン指定のご注文をいただくことが多いです。その中でも3番が多いのは、釣り場の状況やお客様の釣りのスタイルが今のところは3番に集約されているということでしょうか。

3番ラインと4番ラインの違いは、その重量の違いによる運動エネルギーの差からして明らかです。当然のことですがそれはロッドテーパー に反映されますのでここでもアクションのバリエーションが増えることになります。

また、標高1600mの川での経験ですが、3番ラインの7フィートのバンブーロッドを使っているのですが1番手高いラインのようなキャスティングができるようです。これは気圧の関係でラインとロッドの空気抵抗が小さくなるのが原因ではないかと考えていますがいかがでしょうか

ライン/1

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長さ

仮定ですが9フィートのロッドを3本用意して2本をバットから切りつめて7,8,9フィートとします。当然のことですが短い竿の方が軽く、同じディスタンスをキャストするには素早いストロークが必要となります(しかし実際には、元のデザインが失われたロッドでは満足なキャスティングは出来ないでしょう。)。

ここで注目したいのは、釣りのスタイルやフィールドのイメージとロッドの長さの関係です。もちろん「タックルのバランス」を無視することは出来ないと思いますが同じ状況でもロッドの長さの選択は、かなり広がるのではないかということです。

主にグラファイトロッドをお使いの方は「同じラインだとバンブーロッドはちょっと短いな」と感じるのではないでしょうか。たとえば1フィートの差は約30cmです。これをどう考えるかが悩みどころです。

長さ/1

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継数

携帯性とアクションの調和を考えると4ピース以上のロッドは、かなり「趣味性」が色濃いものになるようです。また、フェルール やブランクの製作工程が増えますので、どうしても高価になってしまいます。

継数でアクションが変わるのは、その重さとそれ自体が曲がらないからです。一例ですが7フィート/3番ライン/2ピースロッドのフェルールの重さは5.4グラムです。同じ長さの5ピースロッドは、2.0+3.3+5.5+6.8=17.6グラムになります。この差がロッドの運動にかなり影響を与えます。

また、フェルールが「曲がらない」ということは、その前後のブランクを「より曲げる」働きをします。したがって(一般論ですが)その前後のブランクを若干太くしてフェルールの影響が少なくなるようにロッドテーパーを調整します。

ロッド・テーパーのデザインは継数を考慮して、それぞれ専用としていますがフェルールの重さ(モーメント と言い換えても良いでしょう)によるキャスティング・ストロークへの影響は確かにあります。同じ長さ、ラインで継数が多くなるとアクションは(一般論ですが)概ねスローよりになるようです。

継数/1

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エキストラティップ

2本のティップは、6本のバンブー・ストリップ(裂いた状態のバンブー)を半分ずつに「分身」させて製作します。したがって、同じ節取り、アクションに作ることが出来ます。つまり双子のティップが作れるわけです。

これを交互に使うことによって、ちょうど2足の革靴を履き回すように長持ちさせることが出来ますし旅先で万が一、ティップのアクシデントがあったとしても(私自身、それでかなりがっかりした経験がありますが)同じロッドで釣りを続けることが出来ます。

また、それぞれのロッドは「製作記録」が保存してありますので、破損等で新たに製作したティップでも元のアクションに近いものができます。

エキストラティップ/1

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フィニッシュ

ブランク、リールシート木部はウレタン塗料を刷毛塗りしています。

ガイドやフェルール、リールシートといった金属部分を黒っぽくしたり、磨き上げてその地肌を生かした仕上げが出来ます。

トップとスネイクガイドは、丈夫さの点では今のところ「ハードクローム 」が最良のものだと思われます。しかし、黒いパーツが付いたバンブーロッドの雰囲気は捨てがたいものがあると思います。

フィニッシュ/1

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グリップ

自動車で例えるならハンドルに当たる大切な部分です。宮崎ロッドでは、ブランクにコルクを接着して回転させながらグリップ整形をしています。テンプレートは使わずに、削る←→ロッドを継いで握ってみる、を繰り返して仕上げてます。

大体同じような形状に仕上がりますがロッドのアクションやバランスによる若干の違いがでるようです。長さは3〜4番ラインのモデルで4−3/4インチ(約12cm)から5インチちょっと(約13cm)がPrime Timeスタイルです。もちろん、ご要望に応じて製作も可能です。

グリップ/1

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リールシート

スペーサーの直径が16〜17mmで製作しています。キャップには脱落防止のため、ピンを打ち込んであります。キャップ&リングのリングには若干のテーパーが付けてありますのでしっかりとリールを固定します。

3番ロッドに合う16mm径のスクリューロック・シートも製作しております。少々重くなりますがアップロックの場合、リングを気にせずにグリップ・ハンドをリールに近づけることが出来ます。

リールシート/1iリールシート/2

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その他

実際にキャスティング体験をしてみたい

近所の公園でバンブーロッドを使ったキャスティングを体験していただいています。お気軽にお問い合せください。教室というようなものではありませんが初めてのかたには基本的なことからバンブーロッドの特性などを実際にキャスティングしながらご説明しております。

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用語解説

■ロッド・テーパー

ロッドはバットからティップに向かって徐々に細くなっています。それをロッドテーパーと呼びます。たとえば、その全体的な変化が緩やかなテーパーを「スローテーパー」、全体的な変化が大きいテーパーを「ファーストテーパー」、所々で変化が違う「コンパウンドテーパー」などと言うこともできます。

 テーパーとアクションのおおまかな関係は、スローテーパーのアクションは胴調子、ファーストテーパーは先調子になります。コンパウンド(複合)テーパーは、それらの要素を組み合わせて統一的なアクションを持たせるテーパーです。

 一般にスローテーパーのロッドはティップ側が重く感じ、ファーストテーパーのロッドは軽く感じます。ではティップ側が軽くて胴調子のロッドは?というときにコンパウンドテーパーを採用します。

 "Prime Time Rod"は、全モデルにコンパウンドテーパーを採用しています。

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■モーメント

力(force)の性質は、お馴染みのニュートンの法則にまとめられていますが、物理的にはその第2法則によって定義され数学的にはベクトルの性質を持っています。

M=Fl

図に示すように力の作用線上にない1点をOとするとき、は物体を点Oの回りに回転させる働きを持ち、これをモーメント(moment)といいます。その大きさは、

   M=Fl

と表されます。このようにロッドの負荷を解析するとアクションの特徴の把握やマルチピースの設計などに大変役立ちます。

参考文献:構造力学の基礎 I
佐武 正雄・村井 貞規共著
技報堂出版/1994.8

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