歩く

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歩く

「ゆっくりと歩くこと」──バックパックのショルダー、ウエストのベルトを〆直し、はき慣れたマウンテン・ブーツのレーシングを調節しながら通勤時間帯の駅の階段を上るような速さ以下で一歩一歩と文字通り「歩みを進め」ます。疲れないようにするには、いかに早くそのペースをつかむかにかかっていますが結構これが上手く行きません。

それは生活全般の感覚が「『速いということ』と『競い合うこと』」を中心に否応なく組み上がっていて、無意識的にそう行動するようになっている自分を発見するときでもあります。

バックパックがきしむ音、吹く風の心地よさ、肩や腰、足にかかる圧力がこう呟きます、「もっと、もっとゆっくり…」と。私はさらにゆっくり歩くようにして、その声に答えます。

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